先日、『吉田博展に行った話』をした際に、「渡辺省亭も見に行きた~い」なんて書きましたが、言った途端に東京都が週末から緊急事態宣言を発令すると聞いて、翌日慌てて上野へ行って参りました!
滑り込みセーフ!
というわけで、東京芸術大学美術館で開催中(~5月23日)の『渡辺省亭展』です。
日本で初めてパリに遊学した日本画家である渡辺省亭氏、パリ万博に出品したり、エドガー・ドガと交流したりと華やかな経歴をお持ちなのに、日本の画壇からは距離を置いていた為か、国内ではあまりメジャーではない画家さんです。
赤坂離宮の花鳥の間の七宝画、と聞けば、「ああ!」と思う方が多いのではないでしょうか。
七宝を手掛けたのは濤川惣助氏ですが、原画を渡辺氏が担当しています。
人物画もたくさん残していらっしゃいますが、私はやはり動植物を中心に据えた花鳥画が好きです。
筆でよくもここまで😳❗と驚くほど緻密なメインモチーフに対し、大胆な筆遣いで水墨画風に落とし込んだ背景と、思い切りの良い余白の美学。
日本画に比重を寄せつつの西洋画との融合具合が絶妙で、海外で持て囃されたのも納得のバランス感覚だと思いました。
観覧後、上野恩賜公園内のいつものスタバで休憩。
作品は素敵だったのですが、芸大生の親御さんかなあと思われるオバサマグループがお喋りに夢中で凄いストレスに💢
美術館では、私語は控えてほし~い!!
作品が多数入れ替わる後期展も気になるところですが、外出自粛令と美術館の客層がネックで足踏みしちゃいます😔
図録は買いました。
3月25日から、一般書店でも購入出来るようになるそうです。小学館から出版。
電車が比較的空いているAM10:00~PM14:00間で行って帰るという突貫だと忙しないですな。
テイクアウトしたスタバのシナモンロールでエネルギーチャージしながら(むしろカロリー過剰摂取)、図録をペラペラ。
ポスターになっている『牡丹に蝶の図』が今展の最押しのようですが、私は牡丹はこっちの方が好きです。散り崩れる描写が見事過ぎる👏
こちらの鳩の絵も、気になっていた一枚。
土筆や蓮華などの春の草が可愛いのです。タンポポが西洋タンポポではなく日本タンポポなのがツボ🏺
余白使いの巧みさと浮き上がるような細密な描写で主題に目を持っていかれがちですが、グレイッシュトーンで光や影などの空気感を表現する技巧がべらぼうに上手い作家さんだなあ。
他にもエドガー・ドガへ即興で描き渡した作品や、装丁までこだわった掛け軸類、濤川惣助氏との合作である七宝作品、シェイクスピア(ジュリアス・シーザー)がなんだか歌舞伎調でちょっと面白かった挿絵のお仕事など、見どころがいろいろありますので、こんなご時世ではありますが、機会があれば是非足を運んでみてください。
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