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2021年4月30日金曜日

渡辺省亭展に行った話

 先日、『吉田博展に行った話』をした際に、「渡辺省亭も見に行きた~い」なんて書きましたが、言った途端に東京都が週末から緊急事態宣言を発令すると聞いて、翌日慌てて上野へ行って参りました!


渡辺省亭展


滑り込みセーフ!

というわけで、東京芸術大学美術館で開催中(~5月23日)の『渡辺省亭展』です。


東京芸術大学美術館


日本で初めてパリに遊学した日本画家である渡辺省亭氏、パリ万博に出品したり、エドガー・ドガと交流したりと華やかな経歴をお持ちなのに、日本の画壇からは距離を置いていた為か、国内ではあまりメジャーではない画家さんです。

赤坂離宮の花鳥の間の七宝画、と聞けば、「ああ!」と思う方が多いのではないでしょうか。

七宝を手掛けたのは濤川惣助氏ですが、原画を渡辺氏が担当しています。


人物画もたくさん残していらっしゃいますが、私はやはり動植物を中心に据えた花鳥画が好きです。

筆でよくもここまで😳❗と驚くほど緻密なメインモチーフに対し、大胆な筆遣いで水墨画風に落とし込んだ背景と、思い切りの良い余白の美学。

日本画に比重を寄せつつの西洋画との融合具合が絶妙で、海外で持て囃されたのも納得のバランス感覚だと思いました。


渡辺省亭展図録

観覧後、上野恩賜公園内のいつものスタバで休憩。

作品は素敵だったのですが、芸大生の親御さんかなあと思われるオバサマグループがお喋りに夢中で凄いストレスに💢

美術館では、私語は控えてほし~い!!

作品が多数入れ替わる後期展も気になるところですが、外出自粛令と美術館の客層がネックで足踏みしちゃいます😔


図録は買いました。

3月25日から、一般書店でも購入出来るようになるそうです。小学館から出版。


図録とチケット
シナモンロールのプレートは志村和晃さん

電車が比較的空いているAM10:00~PM14:00間で行って帰るという突貫だと忙しないですな。

テイクアウトしたスタバのシナモンロールでエネルギーチャージしながら(むしろカロリー過剰摂取)、図録をペラペラ。


渡辺省亭牡丹之図

ポスターになっている『牡丹に蝶の図』が今展の最押しのようですが、私は牡丹はこっちの方が好きです。散り崩れる描写が見事過ぎる👏


渡辺省亭春野鳩之図

こちらの鳩の絵も、気になっていた一枚。

土筆や蓮華などの春の草が可愛いのです。タンポポが西洋タンポポではなく日本タンポポなのがツボ🏺


余白使いの巧みさと浮き上がるような細密な描写で主題に目を持っていかれがちですが、グレイッシュトーンで光や影などの空気感を表現する技巧がべらぼうに上手い作家さんだなあ。


他にもエドガー・ドガへ即興で描き渡した作品や、装丁までこだわった掛け軸類、濤川惣助氏との合作である七宝作品、シェイクスピア(ジュリアス・シーザー)がなんだか歌舞伎調でちょっと面白かった挿絵のお仕事など、見どころがいろいろありますので、こんなご時世ではありますが、機会があれば是非足を運んでみてください。









2021年4月29日木曜日

レモンを頂いたのでレモンケーキを焼いてみた

3月の話になりますが、両親のお知り合いのお庭に立派なレモンの木があるらしく、母がオネダリして分けて頂いてきました。


庭レモン

かーちゃん、欲張ったなw

でも国産レモンお高いので嬉しい🙌


さっそくパウンドケーキを焼いてみました。


レモンのパウンドケーキ

配合は、若山曜子先生の『パウンド型ひとつで作るたくさんのケーク』に掲載されている「甘納豆×ゆず」のレシピを参照にアレンジしました。(甘納豆は入れていません)




柚子よりレモンの方が香りが弱いので、アーモンドプードルの主張がちょっと強くなり過ぎたかなぁ💦
熟成したらバランスが整って十分美味しくなったけれど、今後はもう少し調整しよう。


パウンドケーキラッピング


お礼の分はラッピングしてみました。過日のミモザ即身仏を活用😁

甘党の方らしいので、喜んでいただけたら良いなあとドキドキしながら両親に託したのですが……


箱レモン

大変喜んで頂けた結果、ミカン箱いっぱいのレモンが返礼されてきました😳❗

え?え?!どういうことなの?



2021年4月21日水曜日

吉田博展に行った話

 大分前の話になりますが、『没後70年吉田博展』(東京会場)に行ってきました。



恥ずかしながら吉田博氏を存じ上げなかったのですが、たまたまインスタグラムに挟み込まれた広告でこちらの展示会を知ったのが、2月9日の夜のことでした。

ホームページに掲載された作品の美しさにハートのど真ん中を撃ち抜かれるも💘、コロナの自粛期間真っ只中。

どうしたものかと悩みつつ、「これすごい素敵なんだけど!」と夫に紹介したら、「行ってこい、そして俺のために画集を買ってくるのだ」と背中を押されまして、翌日には上野へと旅立っておりました。

あ、いえ在来線で一本なので、そんなに大げさな事ではないのですが😅


いやあ、すごかった。

版画だから画集で良いかな?なんて思っていた前日の自分は土下座するべきだと思いましたね。

版木を擦る作業を、少ないものでも30回ほど、多いものは100回以上繰り返して色を重ねてゆくことで、透明感や奥行きを表現する技術とセンスに圧倒されっぱなしでした。

比較的空いていて、間近で見られたので、ガブリ寄りでじっくり見る事が出来たのは幸運でした。

水分をたっぷり含んだ山頂の空気や、ご来光の鮮烈な輝きが迫ってくるような写実的な表現を用いりながら、版画的な平面感も混在している独特な世界観に、のめり込むように見入った2時間。


会場を後にする頃には、もう疲労困憊で、スタバで燃え尽き症候群になりました。


家に帰ってからも、テイクアウトしたドーナツを食べながら、記憶を反芻。

同じ版木で擦りなおして光の移りゆく情景を留める手法の美しさに、ただただ溜息。

(ポストカード左から「朝日」「朝」「日中」「午後」「夕」「夜」)

しかし、画集やポストカードでは、やはりのっぺりしてしまって、原画の持つ強烈なパワーは伝わりませんね。

ライティング効果なども関係しているのでしょうが、空刷り技法などはプリントでは絶対に伝わらない部分なので、原画はやはり偉大です。



夫が現在駐在中の蘇州を題材にした作品も展示されていたので、報告しておきました。

現場を特定したら、是非ご一報頂きたい😁




……ところで、ですね。

こちらの展示会、3月1日から後期展として46点もの作品が入れ替わりました🙊


え?吉田さん版画始めた年齢、大分遅いのに、どんだけ描いたの??すごくね😳?

というわけで、上野アゲインです。

メキシコの壁画界の大家ルイス・ニシザワさんの作品だそうです

どうでもいいけど京成上野駅の陶板レリーフ、見るたびにシーマン思い出しちゃう……。



後期展も控えめに言って最高✨でした!

この日もあまり混んでいなくてラッキー👍一列並びでソーシャルディスタンスをしっかり守れるくらいの人数でした。どの美術展も、いつもこのくらいで見られると良いですねぇ。


入れ替わった作品と前回のお気に入りを中心に飛ばし飛ばし廻った為に、少し早めに上がれたので、上野東照宮の五重塔をチラ見して来ました。


残念ながら、桜はまだです。



帰宅後、咲いたらこんな風景になるかしらと思いを馳せながら、図録を捲りました。


現在は三重で開催中(~5月30日まで)なので、お近くの方は是非足を運んでほしいなぁと思いますが、コロナがなかなか収束しない……。

私、次は『渡辺省亭』見に行きたいんですけど、東京また緊急事態宣言されそう😂