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2021年4月21日水曜日

吉田博展に行った話

 大分前の話になりますが、『没後70年吉田博展』(東京会場)に行ってきました。



恥ずかしながら吉田博氏を存じ上げなかったのですが、たまたまインスタグラムに挟み込まれた広告でこちらの展示会を知ったのが、2月9日の夜のことでした。

ホームページに掲載された作品の美しさにハートのど真ん中を撃ち抜かれるも💘、コロナの自粛期間真っ只中。

どうしたものかと悩みつつ、「これすごい素敵なんだけど!」と夫に紹介したら、「行ってこい、そして俺のために画集を買ってくるのだ」と背中を押されまして、翌日には上野へと旅立っておりました。

あ、いえ在来線で一本なので、そんなに大げさな事ではないのですが😅


いやあ、すごかった。

版画だから画集で良いかな?なんて思っていた前日の自分は土下座するべきだと思いましたね。

版木を擦る作業を、少ないものでも30回ほど、多いものは100回以上繰り返して色を重ねてゆくことで、透明感や奥行きを表現する技術とセンスに圧倒されっぱなしでした。

比較的空いていて、間近で見られたので、ガブリ寄りでじっくり見る事が出来たのは幸運でした。

水分をたっぷり含んだ山頂の空気や、ご来光の鮮烈な輝きが迫ってくるような写実的な表現を用いりながら、版画的な平面感も混在している独特な世界観に、のめり込むように見入った2時間。


会場を後にする頃には、もう疲労困憊で、スタバで燃え尽き症候群になりました。


家に帰ってからも、テイクアウトしたドーナツを食べながら、記憶を反芻。

同じ版木で擦りなおして光の移りゆく情景を留める手法の美しさに、ただただ溜息。

(ポストカード左から「朝日」「朝」「日中」「午後」「夕」「夜」)

しかし、画集やポストカードでは、やはりのっぺりしてしまって、原画の持つ強烈なパワーは伝わりませんね。

ライティング効果なども関係しているのでしょうが、空刷り技法などはプリントでは絶対に伝わらない部分なので、原画はやはり偉大です。



夫が現在駐在中の蘇州を題材にした作品も展示されていたので、報告しておきました。

現場を特定したら、是非ご一報頂きたい😁




……ところで、ですね。

こちらの展示会、3月1日から後期展として46点もの作品が入れ替わりました🙊


え?吉田さん版画始めた年齢、大分遅いのに、どんだけ描いたの??すごくね😳?

というわけで、上野アゲインです。

メキシコの壁画界の大家ルイス・ニシザワさんの作品だそうです

どうでもいいけど京成上野駅の陶板レリーフ、見るたびにシーマン思い出しちゃう……。



後期展も控えめに言って最高✨でした!

この日もあまり混んでいなくてラッキー👍一列並びでソーシャルディスタンスをしっかり守れるくらいの人数でした。どの美術展も、いつもこのくらいで見られると良いですねぇ。


入れ替わった作品と前回のお気に入りを中心に飛ばし飛ばし廻った為に、少し早めに上がれたので、上野東照宮の五重塔をチラ見して来ました。


残念ながら、桜はまだです。



帰宅後、咲いたらこんな風景になるかしらと思いを馳せながら、図録を捲りました。


現在は三重で開催中(~5月30日まで)なので、お近くの方は是非足を運んでほしいなぁと思いますが、コロナがなかなか収束しない……。

私、次は『渡辺省亭』見に行きたいんですけど、東京また緊急事態宣言されそう😂







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